BLOG.NOIRE

THINK ABOUT SOMETHING.

思想

人はみな変態

シルバー事件の中で「人はみな変態ですよ」という台詞があったが、人間の極端に狭いスイートスポットを剥き出せば本当にその通りだと思う。 食を一つ取っても理解できない趣向があるし、服を一つ取っても理解できない趣向があるし、全てのフェティシズムがス…

ビデオとカメラの素晴らしさ

本職じゃないので確信はないけど、ビデオは平均値の世界で、カメラは最大値の世界だ。 例えば歯磨きしている所をビデオで撮ったとして、その映像は平均的に何の変哲もないが、逆にカメラで撮った場合撮ったタイミングによってはものすごく変顔になったりする…

大必然性という理想

文化が歴史化するとそこに文法(伝統)が生じるが、これを一切踏襲しないで創造するということは先人がありとあらゆる角度から検証した必然性を放棄するということ。伝統にはそれなりの根拠がある訳だ。 但しこの構図は文化史が深まれば深まる程その色を濃く…

君がニヒリストで終わるその前に

人間は真贋の真を選び抜いてきた場数によってその魅力が決まる。これは服装一つ取ってもそうだし、仕草一つ取ってもバレてしまうものである。 本当に誰得な話だが、僕は昔「ある一線を超えたらその中で一番性格のいい子と付き合う」と言ったことがある。この…

落とし所≠中庸

今日は何となく車のことを考えていて、厳密にはそこだけではないのだけど黄信号時の判断で結構人間の性格が出る。 例えば停止線の直前まで来てる時に黄信号になっても後続車が危ないので渡り切ってしまうのは普通の判断だが、その判断の最低ライン以降に各自…

ダダもシュールも一過性の必然

僕はヨーロッパに旅行に出かけて初めてダリを知り、ブルトンを知り、シュルレアリスムを知ったぐらい「芸術素人」な人間だけど、日本に帰ってきて彼等を調べていく内にシュルレアリスムに幻滅していった経緯がある。 僕にダダとシュルレアリスムを明確に区分…

個人の自動書記

チャラの人間性の延長線上で見た最高傑作というのは「やさしい気持ち」だと思うが、あれはおそらく浅野忠信と結婚していなければ造れなかった個人的な作品の極致である。 これは自分がYouTubeでよく聴くHAJIMARINO-MEもそうだと思うのだが、強烈な体験が言葉…

予言者の名は

「将来を展望する」という行為についてだが、楽観的な予測ばかりを立ててもいけないし、悲観的な予測ばかりを立ててもいけないし、かと言って両者の中間にバランスの良い落とし所を見つけましょう、というのも実はいけない。 じゃあ「何処に答を見出すのか」…

スピード・コンプレックス

最近ジジェクの動画をいくつか見ていて思ったのだけど、軽快なトークというのはそれだけで「速度の象徴」だ。僕みたいに鈍臭いトークしかできない人間とは訳が違う。 要するに評論家レベルの言論をリアルタイムで展開できる評論家と、本の中でしか展開できな…

答は繰り返される

PSAwardsで小島監督がドストエフスキーと全く同じことを言った。「アイディアが思い浮かんだら書き残して行くのか」という問いに対して、「良いアイディアは繰り返されて上書きされていく。だからあえて書き残さない」と。 基本的にこの考え方は正論だし、第…

如何にして神に背を背けるか

シンプルに考える、壁にぶち当たる、複雑に考える、これが負のスパイラル。複雑に考えれば問題は大抵クリアできるけど、現実性は削ぎ落とされていくただの「逃げ」である。独創性という言葉とこれを結び付けると単純なカルト否定になっちゃうが、断片的に正…

創作の勘所

科学と違って芸術に推敲の終わりはなく、その無限性の彼方で精神分裂と闘うことを「芸術行為」と呼ぶのだと思うが、最近僕はバランス主義者に転じたのでタテの思考とヨコの思考を上手く切り替えられるようになった。 ヨコの思考というのは「視点の増殖」であ…