BLOG.NOIRE

THINK ABOUT SOMETHING.

詩とブランディング

過去の経験則から大体の当たりをつけられる状況の多様化は、小説家を現実の最果てに誘う。寺山は『天才だけが遠くへ行ける』みたいなことを言ってるが、この当たりを外せば誰でもいくらでも遠くへ行けるが、そこに現実性はなく、深みもなく、求めるものが違…

『神』と『我』を繋ぐ言葉

僕達は「神かくあり」に向かって「我かくあり」に到らざるを得ない世界に生きている。そこでその神と我を繋ぐ言葉は「ゆえに」か「しかし」か「そして」なのかを考えてみた。 先ず「神はこうある、ゆえに我はこうある」だと、我まで必然性の延長になるから、…

御子としての偶然性は記録足り得るか

僕は「万回創世をやり直しても万回造られるもの、為されるもの、同じになるもの」を「必然」と呼ぶ。例えば言葉、恋、神などがそれだ。翻ってそうはならないものを僕は「偶然」と呼び、例えば花言葉、恋人、神話などがそれだ。 一応一つ前のツイートはrootに…

音夢的相対性理論

原体験と言うと大袈裟になるけど、僕の思想を形造った一つの言葉に、ベック・ハンセンの「あらゆるものはバランスだ」というのがある。決して中庸を推奨する訳じゃないけど、ある一方向に振り切れるべきものというのは皆無で、折り合いこそが全てなのだ。 例…

比喩は力なり

何か一つを極める時、論理で固めるのも重要だけど、言葉は本質の近似にはなり得ても本質そのものにはならないし、必ず綻ぶ。かと言って短絡的な観念主義に陥ると足掛かりが曖昧で、思考がまとまらないから、最低限の論理は要る訳だ。 しかし論理とは本来重た…

論理を終わらせるもの

ゲームなんかは既存の素材を当てはめていくというより(もちろんそれもあるんだけど)、当てはめようとするパーツそれ自体が既に創造的=複合的だから、自分の考える創作論は破綻しない。但し小説なんかだと煮詰まった時、それをたった一語の言葉が打破する…

天地創造の物語

YouTubeに「天地創造の物語」をアップロードしました。 http://www.youtube.com/watch?v=O0a_HeF_PeA この動画はリンク先の説明にもある通り、大神のオープニングにインスパイアされて造り始めたものだけど、日本画的な風雲の描写とか、降り積もる羽根だとか…

過ちを繰り返さないスピードで

以前にもつぶやいた通り、ロジックと正義は繋がってると思うけど、これは恋的なものからどんどん離れていって、愛的なものに流れていくということでもある。厳密には違うんだけど、要するに隣人愛から遠人愛への、完璧主義への個性の統合だ。 一方でそれは個…

決壊こそがドラマ

ツァラトゥストラとカラマーゾフだと、どう考えても作品としてカラマーゾフの方が上位構造だ。ほとんど一人の人物が話を進めていくツァラトゥストラは、その構造上欺瞞や独善といった綻びが出てくるからだ。 バフチンが言うようなカーニバル文学は現実の近似…

知ったか音夢の革命講座

論理だけでは革命にならないが、詩を総柄にする革命も短命だ。写実的な道義を重ねた果てに抽象を刹那射抜く、それが革命の本来の在り方であり、不可分な世界の一側面を奉るその本性に拠って、全ての革命は結局滅ぶのである。―知ったか音夢の革命講座― ゆえに…

哲学とは奥の細道の無限性である

哲学というのは要するに、広義なもの、万様なものを限界ギリギリまで狭義に絞る行為だと思う。 例えば自分。日本に住んでいるというよりは大阪に住んでいるという方が近いし、ネットしているというよりはツイートしているという方が近いし、そういう「狭さの…

深淵の双子

一冊の詩の原本と小説の原本がそれぞれ在るとして、それを別の国の言語に翻訳する時、必ず詩の方が難易度が高くなることの理由を考えてみた。 例えばある国の単語をある国の単語に置き換える時、元の言葉が明瞭にフォーカスされていればいる程同等の単語に置…

否定の美学

主に音楽で在りがちな話だが、どう足掻いたってクソ曲でしかないのに、それの否定の否定として「一曲でも多く楽しめた者勝ち」とか言い出す人。それ、絶対間違ってるよ。 一つでも多く取るという思想は、審美眼を鍛えることの放棄にしかならない。むしろ一つ…

ロジックと詩のスパイラル

ある友達とロジックと詩について議論した。結局結論めいたものは出なかったけど、僕の意見はこうだ。 これは多分以前にも書いたけど、詩の最初の目的は「観念を腐らせないこと」だろう。現代詩は知らないけど、産まれたばかりの頃の詩の目的はそれだった筈で…

ロジカルな言葉とイロジカルな言葉

言葉は大雑把に二分すると、ロジカルなものとイロジカルなものに分かれる。僕は性格の地の部分でイロジカルな言葉に偏ってるが、最終的に強いのはロジカルな言葉の方である。 少し強引だが、イロジカル=詩人的、ロジカル=文学者的と仮定して、詩人が一切余…

絆と秩序

「絆」というのは順不同ではなく、順序立ったプロセスが必須のもので、例えばブルジョワには最初から自由があるけど、希少な物事を神聖視する聖別履歴がないからカメラ的な瞬間最大値も同時になく、そこから幸福論を参照した生き方ができないのだ。 翻って戦…