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THINK ABOUT SOMETHING.

知ったかアプリ論

自分がiPhoneに入れてるアプリはベタなのしかないけど、どれも凄く実用的且つ生活水準が向上するという点で、全て共通している。


それを更に分類していくと、先進的なアイディアから来るものは特になく、『かゆいところに手が届くもの』と『作成難易度から来るもの』の二種類に分かれる。前者は例えばGoodReaderで、後者は例えばAir Videoだ。


そもそも僕はプログラミングの知識が皆無なので、この分類が本当に正しいか疑問だけど、GoodReaderに関しては無線で転送する仕組みの複雑さを除けば高機能なファイラーでしかないし、Air Videoに関しては無線で映像をストリーミングする難易度を乗り越えただけのアプリでしかない。


何が言いたいかと言うと、一閃の閃きから来る発明的なものなど皆無、ということなのだ。厳密には上記二つ以外に『イノベーションを感じさせるもの』というカテゴリーがあって、これは例えばFlipboardとかだけど、あれは偶然性の組織化からできた類のアプリだと個人的には思う。


要するに広義での『作成難易度から来るもの』ということであり、技術レベルが低い中での試行錯誤からFlipboardは生まれないし、難しい先進的なことを様々に組み合わせてる中で立ち現われたアプリという印象なのだ。


だから結局王道は二つ。既にあるニーズの深みを更に掘り下げるか(かゆいところに手が届くもの)、ほんの少し先進的なことを具現化させるか(作成難易度から来るもの)、このどちらかで、これらはどちらも形を変えた椅子取りゲームに他ならない。


前者は知的水準向上単位での早い者勝ち、言わばニーズの最先端にアクセスできる研究者の為の領域で、後者は技術的特異点単位での早い者勝ち、言わばドラクエIや時のオカリナのような時代的取得物のようなものだ。両者はいくらか重複してると思うけど、基本的には昇り螺旋の両輪なのは間違いない。


前者がスコラで、後者がエンジニアで、両立可能なのが天才なんだろうけど、現実的にはどちらか片方に属するし、おそらくこれは文系か理系の分類でもあると思う。だから自分の属性を把握し、どちらか片方のベクトルに絞って開発するのが一番理に適ってるし、発明それ自体を狙うのは間違ってるよ。