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THINK ABOUT SOMETHING.

ThinkかFeelか

うとうとしている時に抽象的な想像ではなく、物凄く具体的な想像をすると一気に眠気は覚める。だからSleepの対義語はImagineで、想像力こそ睡魔の天敵だと僕は思うのだ。


道徳的睡魔というものがある。反抗期の敵対者と共通する部分もあるのだが、厳密には万人等しく対峙し得る魔物であり、禁忌でもある。


それを禁忌としないのが反抗期であり、最も多感で最も想像に澄んだ者が総淘汰される時代という訳だ。そこで淘汰されない為には常勝し続けなければならないから、一部の強力な哲学者や文学者を除いてほとんど破れ去っていく。


要するに反抗期の敵対者というのは清濁を併せ呑ませようとする、精神の同化作用だろう。つまり道徳的睡魔というのは一般論の宿に妥協を招こうとする哲学の殺し屋であり、その激戦を制するのは並大抵のことではない。


曖昧なままの自分を立て続けるのは自我ではなく、運の仕業。それは外因次第でいつでも寝返る脆さを抱えているが、その危機が滅多とやって来ないと踏んで皆がそれに甘えてしまう訳だ。


そうやって睡魔からの覚醒を怠り続けると、土壇場で赤ん坊のような幼稚なリアクションを取る羽目になる。確かに哲学や思想は熟させるのが大変だ。しかしそれを理由に眠り続けるようでは精神的病魔を蔓延らせることになる。


即ち道徳的睡魔も精神的病魔も堕落の裏表であり、睡魔によって闘いを避け続ける者は病魔によって寝たきりにされてしまう訳で、この負のスパイラルから抜け出す合言葉は「Don't Feel. Think!」でしか在り得ない。


修羅場数を重ねた最高峰の感性はその限りではないが、負のスパイラルの只中にある感性は誤謬や欺瞞のオンパレード。しかしそれを理性で推敲し続ければ最終的に「Don't Think. Feel!」の領域に辿り着く。


考えるよりも体が先に動くというのはとても重要で、感性は理性よりも遥かに速い。だからそこに思考の重心を置くことができれば睡魔は自然と絶滅するし、ブルース・リーは多分、その領域に辿り着いていたと思うのだ。