トランスフォーマーに見るギャンブルの不可能性
トランスフォーマーを観ていて思ったのだが、計算できる範疇が現実離れし過ぎているのに映画だから成立してしまう、ご都合主義だということ。例えば鉄の塊が切断された時の破片の散らばり方など計算できる筈もないのに、そこに巻き込まれた主人公を安全に拾うとかね。
なんかそこに競馬や株に通じるものを感じた。鉄の塊を切断すると破片が散らばる、までは誰にでも計算できる。だから普通はそこから人間を避けさせるか、別の場所に移動してから切断するか、というのが現実的な落とし所な訳。
それなのにその渦中に人間を巻き込んでおいて、尚且つケガはさせないというシーンがトランスフォーマーでは何度も出てくる訳。何が言いたいかというと、こういう神業がギャンブラーには要求されていて、しかしそれは現実的な計算の範疇を超えている訳だ。
競馬で言えば内枠外枠どちらが有利かぐらい誰でも分かるけど、調子のパーセンテージとかレース展開とかになってくると、もう曖昧にしか読めなくなる。鉄の破片の散らばり方と同じだ。でも勝つ為にはそこんところの読みが要求されるし、言い換えればトランスフォーマー並の神業ができなきゃいけない訳。
そう考えると競馬も株もまあ、儲からんわな。昔12R全て的中させた予想師が居た筈だけど、あれは結局神業ができたというより、埋めれる外堀を徹底的に埋めて(ここだけが実力=計算の範疇)、尚且つ不安定な内堀で想定外のことが起こらなかっただけだと思う。
でも不安定な内堀の影響度の方が、外堀の影響度よりも本来圧倒的に高い。この内堀と外堀の構成比率は多分、9:1と言ってもまだ控えめだと思うし、この計算可能な1を埋める、即ち株で言えばファンダメンタルが完璧であるのは実は「当然の前提」で、でも現実は計算不能な9に振り回される訳。
911なんか誰にも読める訳がないし、311も誰にも読める訳がない。そういう想定外のことが一切起きなかった場合、ある程度「1の打算」だけでも勝負できるかもしれないが、現実はそう甘くないだろうし、いくらリアルタイム性が高いのだとしてもBNFは都市伝説なんじゃないかと疑う時もある訳だ。
誰も信じないだろうけど、僕は昔パチプロをやっていたが、ほとんど全体を計算できるという点でパチンコは最も手堅いギャンブルだ。遠隔操作の店(これを否定するパチプロなんか今時居らんだろ)では振り回されるけど、基本釘見とボーダー理論で打てばいいだけ。
もちろん立ち回りの仕方も収支に絡んでくるし、不確定要素が全くない訳でもない。例えばシマの共振や電圧の関係で稼働の前半はぶん回りでも、後半になるとだら下がりになることもある。これはどこの店でも大体共通の現象なので、そもそも織り込み済みにするのが普通だけどね。
要素が10ある内の8か9までは、パチプロは計算できるしゆえに後出しジャンケンできる。つまり、勝ち戦かどうかが戦前に把握できる。但し釘見がいくら完璧でも台ごとの癖(ステージ性能や釘のコンマ何ミリの打ち込み誤差など)はさすがに読めないから、試し打ち前提ではあるけど。
還元率で言えば株が最高の筈だけど、それを計算的に取っていけるかと言えば、全くの別問題だ。パチンコは極端な話還元率が50%のボッタクリ営業でも勝つ台「だけ」を取っていけるけど(あればの話)、株にもそういう要素はあるのかね。あってもやらんけどな。