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THINK ABOUT SOMETHING.

万国万別のデフォルメ

年齢を重ねると感情の種類が色々増えていくけれど、もちろん正の感情ばかりではなく負の感情も底深くなっていく。


但しこれは一概に悪い側面ばかりでもなく、単体ではノイズでしかないような感情もその他の感情との協奏で神曲に化け得るから、大人には大人の感情の楽しみ方がある訳だ。


話は飛ぶが僕は食は和食が好きだし、異性も日本人が好きだ。ここで重要なのは外人にとっても美味いと思える平均的な和食ではなく、日本人にしか理解できない局所的な和食があるということで、これは文化の様式美から入る必要があるので外人は原則的にはねられる。


この局所性こそが人間性のデフォルメの落とし所なのだ。原則白人は白人(文化)を愛する、黒人は黒人(文化)を愛するという前提に立てばそれこそが「万人共通のチャンス」であり、様式に歩み寄った時点で同属的な美意識は保障されるのである。


話を戻すが感情の酸いも甘いも味わい尽くした大人の秘境は実在する。それは多分に伝統的であったり土着的であったりするから、ユングが言う所の集合無意識的な領域を意識化すればその扉は開く筈で、そこに仮初ではない圧倒的なロマンティシズムが横たわっているのだ。


当然他者には一見理解できない形で。だからこそ感情は奥深く、また人間は面白い。