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THINK ABOUT SOMETHING.

哲学

パーソナリティーの信仰

「筋を通す」ということと「真を取る」ということが同義だとして、個人史以上に生々しく化け得る対象は他にないから、そう考えるとパーソナリティーというのは芸術の拠点と言えるのではないか。 例え一瞬であれ「雨にも勝り風にも勝り」に到達する為には、以…

黄金は我が内に

昨日のツイートだが、要は「過去から未来まで筋を通す」ということ。そしてこの一筋の昇り矢を、螺旋の芯とすることが可能かもしれないとふと気付いた。 神や楽園も悪くはないが、抽象的過ぎて掴めないまま終わることも大いに在り得るから、神学よりももっと…

『ゆく』という思想

僕は「過去を清めればその今昔が未来を明け渡す」と考えているが、これってよくよく考えれば予言的な話かもしれない。 僕はなんちゃって決定論者だけど、時間軸における一つの断面から過去と未来を導くことは理論的に可能だと思っていた(アホだから)。 そ…

螺旋の芯

昨日のつぶやきだが、僕がずっと考えてきたことに繋がった気がする。つまり聖者が我が道を手放しに昇り続ければ、誰一人として例外なしに堕天する。仮にしなければ欺瞞の証明だし、単純な自我肥大は自殺行為に他ならない訳だ。 手放しではないとしても、昇り…

楽園の為の非我

大人は形を守り抜く。若者は革命に妥協しない。故に若者は華々しく映るけど、対する大人は燻し銀だ。若者は射精後の後悔感を内に孕んでいるが、大人はとっくにそれを通り過ぎて生きているからだ。 それでも若者の反抗は世界の為に必要だ。何故ならダダイズム…

雨にも風にも勝るべし

雨にも負けず風にも負けず。あれは「負けない思想」というより「勝てない思想」の方が正しい。「勝つ思想」というのは対等を前提に組まれてなどいないからだ。 「雨にも負けず風にも負けず」というのはその対象に対する攻撃性が全くないし、精神的な「対等」…

終わらざる運動

お笑い芸人で顕著なのだが、あるパターンを繰り返す芸風というのは全然つまらない。最近テレビ見ないので最近の芸人は分からないが、古いのだと「ひろし」とかがそれで(とか言いながら結構好き)、出始めは例外としてもそれ以降は常に過去的で、飽きちゃう…

無意識の夢を見よ

長いこと創作をしていると「言葉が自然発現する」という状態に辿り着く。そこに至るまでの詳細は説明不能だが、これは大袈裟だけど宇宙の創生とかと同じ話。要するに虚無と夢のプリミティブな波打際が在って、その衝突を意識化し現実に焼き付けるのが芸術と…

芸術の一つの存在理由

人間歳を取ればイヤなこともどんどん増えていく。それが加速度的に急増するのがモラトリアムの期間だとすれば、「鈍感」はモラトリアム卒業のカギだろう。 多感なままでは破綻するから、反抗するだけでは収まらないから、大多数は鈍感な人間に収束し、社会生…

正義よりも強者

言論の妥当性というのは言論そのものの強度より、行為の方が先行するように思う。僕みたいな無名の人間がなんぼえらそうなこと言ったって、行為が伴わないから胡散臭い訳だ。 「正論か曲論か」という考え方はもう古くて、強い奴の言葉なら曲論でもまかり通っ…

絆と秩序

「絆」というのは順不同ではなく、順序立ったプロセスが必須のもので、例えばブルジョワには最初から自由があるけど、希少な物事を神聖視する聖別履歴がないからカメラ的な瞬間最大値も同時になく、そこから幸福論を参照した生き方ができないのだ。 翻って戦…

ThinkかFeelか

うとうとしている時に抽象的な想像ではなく、物凄く具体的な想像をすると一気に眠気は覚める。だからSleepの対義語はImagineで、想像力こそ睡魔の天敵だと僕は思うのだ。 道徳的睡魔というものがある。反抗期の敵対者と共通する部分もあるのだが、厳密には万…

ファイトクラブ批判

精神的豊穣と物質的豊穣について考えてみることにしよう。 精神的豊穣を「最後に拠点となるもの」、物質的豊穣を「精神を仄めかすもの」だと定義して、出逢いの入り口はどこまで行っても物質側(外見)だから、精神の翻訳者としての服装がそこで生きてくる訳…

センスの何たるか

「センスを磨け」という言葉がある。これは正直うろ覚えだが、寺田克也はこの言葉に対し「センスなんか誰でもあるわ」と答えていた筈で、これは一瞬納得してしまいかねないのだけど、多分違うな。 確かに飛び抜けて素晴らしいものは誰が見ても素晴らしいと感…

梅干万能論

昨日の話の続きだが、局所的な和食の代表例は「梅干」だ。これは本質的にそれ程美味いものではないけれど、日本人に生まれた時点で弁当などで頻繁にお目にする訳だ。 そうやって繰り返し繰り返し口に含んでいる内に土着的な関連付けが起きる。つまり空腹のど…

万国万別のデフォルメ

年齢を重ねると感情の種類が色々増えていくけれど、もちろん正の感情ばかりではなく負の感情も底深くなっていく。 但しこれは一概に悪い側面ばかりでもなく、単体ではノイズでしかないような感情もその他の感情との協奏で神曲に化け得るから、大人には大人の…

僕達にはロールプレイの権利がある

結構前まで感情というのは不可抗力のものだと思っていたが、どうやらそういう訳でもないらしい。 「味覚は変わる」という言葉があるけど、正確に言うと味覚自体は間違いなく変わらない。昔嫌いだったものが好きになったとしても、味の感覚そのものは絶対変わ…

FATE'LL BE EDEN

(ツイッターの)プロフィールを更新したが、ここに書いてあることは時間的には負の因果だ。普通因と果は未来に対して結ばれるものなのに、過去の為に因を踏むということを言っているからだ。 これは「個人史が清められるか呪われるかは今次第」ということだ…

人はみな変態

シルバー事件の中で「人はみな変態ですよ」という台詞があったが、人間の極端に狭いスイートスポットを剥き出せば本当にその通りだと思う。 食を一つ取っても理解できない趣向があるし、服を一つ取っても理解できない趣向があるし、全てのフェティシズムがス…

ビデオとカメラの素晴らしさ

本職じゃないので確信はないけど、ビデオは平均値の世界で、カメラは最大値の世界だ。 例えば歯磨きしている所をビデオで撮ったとして、その映像は平均的に何の変哲もないが、逆にカメラで撮った場合撮ったタイミングによってはものすごく変顔になったりする…

大必然性という理想

文化が歴史化するとそこに文法(伝統)が生じるが、これを一切踏襲しないで創造するということは先人がありとあらゆる角度から検証した必然性を放棄するということ。伝統にはそれなりの根拠がある訳だ。 但しこの構図は文化史が深まれば深まる程その色を濃く…

君がニヒリストで終わるその前に

人間は真贋の真を選び抜いてきた場数によってその魅力が決まる。これは服装一つ取ってもそうだし、仕草一つ取ってもバレてしまうものである。 本当に誰得な話だが、僕は昔「ある一線を超えたらその中で一番性格のいい子と付き合う」と言ったことがある。この…

落とし所≠中庸

今日は何となく車のことを考えていて、厳密にはそこだけではないのだけど黄信号時の判断で結構人間の性格が出る。 例えば停止線の直前まで来てる時に黄信号になっても後続車が危ないので渡り切ってしまうのは普通の判断だが、その判断の最低ライン以降に各自…

ダダもシュールも一過性の必然

僕はヨーロッパに旅行に出かけて初めてダリを知り、ブルトンを知り、シュルレアリスムを知ったぐらい「芸術素人」な人間だけど、日本に帰ってきて彼等を調べていく内にシュルレアリスムに幻滅していった経緯がある。 僕にダダとシュルレアリスムを明確に区分…

個人の自動書記

チャラの人間性の延長線上で見た最高傑作というのは「やさしい気持ち」だと思うが、あれはおそらく浅野忠信と結婚していなければ造れなかった個人的な作品の極致である。 これは自分がYouTubeでよく聴くHAJIMARINO-MEもそうだと思うのだが、強烈な体験が言葉…

予言者の名は

「将来を展望する」という行為についてだが、楽観的な予測ばかりを立ててもいけないし、悲観的な予測ばかりを立ててもいけないし、かと言って両者の中間にバランスの良い落とし所を見つけましょう、というのも実はいけない。 じゃあ「何処に答を見出すのか」…

スピード・コンプレックス

最近ジジェクの動画をいくつか見ていて思ったのだけど、軽快なトークというのはそれだけで「速度の象徴」だ。僕みたいに鈍臭いトークしかできない人間とは訳が違う。 要するに評論家レベルの言論をリアルタイムで展開できる評論家と、本の中でしか展開できな…

答は繰り返される

PSAwardsで小島監督がドストエフスキーと全く同じことを言った。「アイディアが思い浮かんだら書き残して行くのか」という問いに対して、「良いアイディアは繰り返されて上書きされていく。だからあえて書き残さない」と。 基本的にこの考え方は正論だし、第…

如何にして神に背を背けるか

シンプルに考える、壁にぶち当たる、複雑に考える、これが負のスパイラル。複雑に考えれば問題は大抵クリアできるけど、現実性は削ぎ落とされていくただの「逃げ」である。独創性という言葉とこれを結び付けると単純なカルト否定になっちゃうが、断片的に正…

創作の勘所

科学と違って芸術に推敲の終わりはなく、その無限性の彼方で精神分裂と闘うことを「芸術行為」と呼ぶのだと思うが、最近僕はバランス主義者に転じたのでタテの思考とヨコの思考を上手く切り替えられるようになった。 ヨコの思考というのは「視点の増殖」であ…